元々、食が細い人でしたが、病気になってからは、夫の食欲に一喜一憂していました。
「ご飯が食べられなくなってきたから、おにぎりにしてくれ」って。
「佃煮ノリと、もろみと、ゴマ塩のふりかけと、買ってきて」と。
昨日は玉ねぎのサラダをたくさん食べてくれた・・・
毎日、何だったらおいしく食べてくれるのかを考えて生きようと思いました。
癌の食欲不振はつらい、なぜなら病気の進行を表すから
ヨガの先生に、「ご主人に何を食べさせているのですか?」と聞いたことがあります。
ご主人も、やはり胆管がんで闘病中でした。
腹水がたまり、もう長くはないというようなこともおっしゃっていました。
「うちはもう、腹水が溜まり始めたから、もう駄目なのよ・・・」
辛かったでしょうね。
あの時、先生は痩せておられました。
息子さんも東京から帰ってきて近くに住むという話だったけど、「間に合うかどうか・・・」ともおっしゃっていました。
辛かったでしょうね。
私の心
生まれてきて、生きるということ。
辛いことがいっぱいあるみたいだ。
パパ(夫)のおかげで幸せに生きてこられた。
パパ、ありがとう。
一人になったら、人のために生きるつもり。
パパのために生きて、子供のために生きて、他人様のために生きる。
できるだけ、自分で生きて、迷惑をかけないように手はずを取る。
私のエンディングテーマだ。
なにも、死ぬのはパパだけじゃない。
私も、この世で修業を積んだら、パパが迎えに来てくれるはず。
パパに顔向けできるように、子供たちをみて、人格を上げる生き方をしなければ。
親が私だけになるけれど、一人だって子供たちのためになる生き方をする。
子供のために生きる。
1月24日の日記から
パパが白いご飯が食べにくいと言う。
すぐにお腹がいっぱいになると言う。
昨日は、久しぶりにご飯を全部食べてくれた。
よかった。
食欲が7~8割に落ちている。
なんとか頑張って食べてもらいたい。
食べられないと終わりだから。
パパはよく頑張っているよ、と励ました。
なんで?と聞かれたから、「毎日注射を頑張っているし」と答えた。
だんだん、弱っていっているのはわかる。
でも、できる範囲で頑張っていこうよ。
今は横になっていることが多いけど、そんなに悪くない状態だと思う。
来週は日赤で検査がある。
手術と抗がん剤を3年頑張ったヨガの先生のご主人(胆管がん)を超えたい。
友人の従妹のご主人は1年持たなかったって。
パパと同じ胆管がんで、手術なしの人。
暖かくなったら、散歩を再開したい。
春日の公園に桜を見に行こう。
ルミエールでお弁当を買って、自転車に乗って。
1月29日の日記から
パパが弱ってきた。
痩せて体重が59.5キロくらいらしい。
60キロになれないと気にしている。
食事が7分目から8分目だから、ちょうどダイエット状態だ。
少しずつ痩せていくのは仕方がない。
骨に転移しているんじゃないかと危ぶんでいる。
本人はマットレスが悪いと考えているけど。
抗がん剤とか何も治療をやっていないのは間違いか。
友人の従妹のご主人は悪くなってきてから、抗がん剤をやってみたけど、ダメだったって。
副作用に耐えられず、途中でやめたらしい。
肝臓がんとかの抗がん剤を併用するらしい。
残念だね。
がんでも、部位によって治る確率が高いのもある。
小林麻央さんみたいに、切れば治った可能性があるのに、民間療法に行った人もいる。
海老蔵さんがなぜ手術をしてやらなかったのか、わからない。
すでに転移していたから?
パパが化学療法とか、治る可能性があるなら、ある一定期間苦しくてもやってみる、と言った。
先生に相談してみようか。
手術と抗がん剤で3年生き延びたヨガ先生のご主人。
悪くなって、抗がん剤をやってみた友人の従妹のご主人。
だけど、1年もたなかったって。
パパは714Xで、1年過ぎた。
桜は見れますと、萩原先生がおっしゃった。
4月までは大丈夫。
7月のオリンピックは見れると思う。(オリンピックの延期が決まる前でした)
抗がん剤について、パパと話してみようか。
明日の検査結果を見て、少しでも良くなるなら、頑張ってくれるかもしれない。
今でもずっと横になったままの生活だから、このまま長く、少しずつ弱っていくのか、思い切って抗がん剤をやってみて、頑張ってみるか。
(結局、化学療法はやりませんでした。やると、命を縮めるかもしれないという思いがありました。厳しい選択です。これは今でも後悔の念があります。)
1月30日の日記から
日赤の検診日。
血液検査しかしないけど、数値を確認して、安心したりしてた。
骨が痛いのは骨転移ではないか?
この痛みをなくす、放射線治療とかないのか?
がんセンターに行ってみたい。
患者として、遠慮しなくていいと思う。
少しでも痛みが軽くなるなら、骨にあるかもしれないがん細胞をやっつけたい。
肝臓に転移していると思われるが、こちらはどうしようもない。
一年前に手術はできないと言われた胆管につながっているから、転移して普通だろう。
714Xで頑張っているけれど、だんだん弱ってきている。
体力がなく、ハグしても倒れそうになっている。
パパに骨転移ではないかと、話をしなければならない。
痛みはガマンできる範囲らしいけど、大丈夫かな。
これですんでいるのは、やはり714Xのおかげか?
日赤でも化学療法で放射線治療はあるから、相談してみよう。
前と変わりません、これからも変わらないのが大事ですと言われた。
でも、腫瘍マーカーの欄が消えている。
なぜ?
腫瘍マーカーの数値を見せたくないからかと勘繰りたくなる。
萩原先生に、714Xを注文しながらメールで聞いてみた。
もと、外科医だから、主治医の先生の気持ちはわかるのではないかと思っている。
「まあまあでよかったね」とパパに言うと、「うん」とうなずいてうれしそうだった。
命がかかっているからね。
やはり、714Xの力が大きいと思う。
注射のあとに微熱が出ると、萩原先生に報告した。
主治医の先生は、高熱が出たら救急車を使っていいから、いつでもすぐに来るようにと指示された。
なぜなら、命にかかわるからって。
そうなんだ。
胆管炎を甘くみてはいけない。
パパにはできるだけ、長生きしてもらいたいから。
まとめ
夫の食欲がないと私も落ち込み、おいしそうに食べてくれると、それだけでうれしい。
少しでも多く食べてくれると幸せな気分になっていました。
病気の進行は止められず、二人であれこれともがきながら生きていました。
人間の致死率は100%なんですよ。
私にもいずれ死が訪れます。
懸命に生きていかなければ・・・