人生の折り返し地点をとっくに過ぎて、人生の後半、晩年をどう生きるかがこれからの人生の課題になっています。
過去を振り返って反省しても、過去は変えられませんから。
前を向いて生きていかなくてはなりませんが、過去を振り返って反省したり、これからの生き方の糧にするのは大切です。
まだ、青春時代にもなっていない中学生の頃、奈良を修学旅行で訪れました。
大阪城や銀閣寺、そして奈良では法隆寺と明日香村に行きました。
中学生の柔らかい頭に、それらの記憶は鮮明に残っています。
半世紀が過ぎて、改めて奈良を訪ねてみました。
時代は流れても、奈良の古いものはそのまま残っていました。
法隆寺の玉虫厨子
子どもの新鮮な頭には、玉虫厨子は印象に残りました。
国語の教科書で「玉虫の厨子の物語」という話を習った記憶があったからです。
昆虫が苦手なので、今思えば玉虫の羽を使って美を追求した厨子は、ちょっと受け入れがたいのですが、当時はきれいなものを作っているんだなといった印象しかありませんでした。
その、玉虫厨子の本物を改めてみてきました。
古いものなので、玉虫の羽の美しさは残っていませんが、当時はこんなふうに見えました、という羽の見本が一緒に展示してありました。
思った通り虹色に輝くものでしたが、これが厨子の四角に張り巡らされていて、虫さんは迷惑だったろうな、という大人の印象に変わっていました。
なにかで、殺生をしてまで飾り付けるのはいかがなものか、という意見を見ました。
なるほど、ですね。
当時の、美しいものを表現するために選ばれてしまったんですね。
子どもの頃は想像のみで、美しい厨子ができたんだなと思って、国語の教科書を読んでいました。
たくさんの仏像が展示されていますが、よく知っているものがいくつかありました。
有名な釈迦三尊像や阿修羅像など、「アラ~」と言いそうになるものばかり。
とくに印象に残っているのがお地蔵さんです。
正式には「地蔵菩薩(じぞうぼさつ)」といいます。
大きな仏像ですが、顔がお地蔵さんなんです。
よく道端に祀ってある、あのよだれ掛けをしてもらっているお地蔵さんの顔をされていました。
これが本物のお地蔵さんなんだとビックリしました。
よく見かけるお地蔵さんは、レプリカなんですね。
レプリカの顔はまさしく、お地蔵さんのお顔です。
「菩薩」とは仏教において、成仏を求める修行者の事を言います。
修行者ではありますが、人々と共に歩み、教えに導くという事で庶民の信仰の対象となっていったそうです。
法隆寺は木造建築物では世界最古であり、ユネスコの世界文化遺産に姫路城とともに、日本ではじめて登録されました。
法隆寺が世界遺産になり、すごい宝がたくさんあるんだと改めて認識しました。
推古天皇の時代に聖徳太子により建立され、飛鳥時代を始めとする各時代の貴重な建造物や宝物類が広大な境内に存在しています。
法隆寺金剛力士像 阿形
法隆寺金剛力士像 吽形
阿吽の呼吸(阿吽の呼吸)と言いますもんね。
〒636-0115 奈良県生駒郡斑鳩町法隆寺山内1-1交通アクセス
法隆寺駅から徒歩で20分
法隆寺駅からバスで5分(法隆寺門前バス停下車すぐ)
明日香村の石舞台古墳
石舞台古墳を見たとき、タイムスリップして中学生に戻ったような気分になりました。
確かに、確かに、中学生の時にその大きさに圧倒されて、どうやって作ったのだろうと、疑問を持ったのを思い出しました。
石舞台古墳は蘇我馬子の墓とも伝えられる、飛鳥のシンボルです。
日本でも最大級という横穴式石室をもつ古墳です。
現在は巨大な石室が露出した姿となっています。
基壇の1辺51mの方形墳。
玄室は長さ7.6m,幅3.9m,高さ4.7mの豪壮なスケールで70t級の花崗岩30数個が使用されています。
床面周囲に排水溝をめぐらすなど、上代土木事業の素晴らしさにも驚かされます。
〒634-0111 奈良県高市郡明日香村岡55交通アクセス
橿原神宮前駅からバスで34分(岡橋本下車)
明日香村の高松塚古墳
明日香村は今でも明日香村です。村、なんですね。
高松塚古墳が発掘されて話題になったのは、私が高校生の頃でした。
古墳好きの同級生が奈良まで行って、高松塚古墳を見てきたと自慢していました。
昭和47年に石槨内部から鮮やかな壁画が発見されました。
当時は、その色彩の鮮やかさで日本中が高松塚古墳にわきました。
高松塚古墳は文武天皇陵の北東にある小さな円墳です。
内部正面北壁に玄武、東西の壁中央に青竜と白虎、それをはさんで4人ずつ計16人の男女の群像、また天井には星宿図が極彩色で描かれています。
現在は、保存のために本物は見られません。
そのかわりに、高松塚壁画館があります。
〒634-0144 奈良県高市郡明日香村平田
交通アクセス
飛鳥駅から徒歩で15分
まとめ
明日香村は静かなところでした。
しかし、いたるところに飛鳥時代の史跡・古墳・古社寺が数多くあり、万葉の世界の雰囲気を充分に味わえました。
学生時代の記憶は鮮明ですね。
年を取ると、覚えたものを忘れていきますが、若い頃に記憶したものは消えません。
若いうちに、たくさんのものを見て学んでくださいね。