癌患者の家族はストレスでつぶれそう!家族のケアやサポート相談があれば…

癌患者の家族 ストレス 介護

癌患者の家族はストレスでつぶされそうになっています。
夫がお世話になっていた病院では患者の家族へのサポートもありました。
でも、夫も同席しています。
夫の前で命の話はできませんでした。
家族のみのケアやサポート相談があればよかったのにと思います。

私は友達に助けてもらいました。
夫を亡くした栗原はるみさんのインタビュー記事をコピーして持ってきてくれたんです。
「あなたに読んでもらいたい」って。

夫である栗原玲児さんをガン亡くされ、5ヵ月が経った頃の栗原はるみさんのお話です。
その記事は、夫が生きているときはもちろん、亡くなってからも、何度も何度も読みました。

栗原はるみさんのインタビュー記事は、ガン患者の家族である私を助けてくれました。
心が励まされたんです。
いずれ命がなくなる夫が玲児さんに重なり、はるみさんは私のがん患者の家族としての先輩でした。

病院にある、がん患者の家族のサポートは受けられませんでしたが、友人がくれたはるみさんのインタビュー記事は私を救ってくれました。

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癌患者の家族はストレスでつぶれそう!

何気ない日常に幸せはあるということを痛感する日々。
ガン患者本人が一番つらい思いをしているのはわかっているのですが、その家族も心労を抱えています。

夫が死と隣り合わせに生きているという悩みを誰にも相談できず、苦しい日々でしたが、友人からの救いもありました。

残念ながら、病院が用意してくれていたサポート体制は活用できませんでした。
いつもそばにいる夫の前で、夫の死についての悩みを口に出すことができなかったからです。

2月1日の日記から

もう、2月。
大事に生きなければ。
萩原先生に検査結果を見てもらった。
主治医の先生の所見とあまりかわらない。
栄養状態が少し悪いけど、黄疸も出ていないし、無垢な心で暮らせば心身ともに良くなるって。
ちょっと、スピリチュアルな人だから。

二人で話し合った。
食欲が落ちているけど、できるだけ口から食べ物を食べようって。
栄養剤とかドリンクとか、肝臓に負担をかけるようなものは口にしないって。

たとえ痩せたって、黄疸がなければ普通に暮らせる。
毎食、工夫をして、食事を作っているつもり。
小さなおにぎり4個はけっこうヒット作。
小さな土鍋の鍋も良かった。
合間にちょっとおやつをだしている。
今日は大型スーパーに行って、買い出しをしてこよう。

2月3日の日記から

パパが弱ってきている。
しっかりと立てない。
ハグするとき、ふらつかないように、私が体重をかけないようにしている。
以前なら、しっかりと受け止めてくれていたのに。

固いものがグッと噛めなくなっている。
梅干しのタネでも噛んでいたという歯とあごで、アジの干し物が固くて噛めなくなっている。
横になっていることが多かったけど、今は横になってばかり。

一番変わったのは声。
大きな声、普通の声が出せない。
かすれたような、弱々しい声でしゃべる。
お腹や背中が痛いと、シップを毎日貼っている。

栗原玲児さんは昨年、半年ほど闘病の末、肺がんで亡くなられた。
奥さんは、80代だし離別は覚悟していたはずなのに、その喪失感や孤独はものすごいとインタビューに答えている。
料理研究家の栗原はるみさん。72歳だって。
目の粘膜が傷むほど、泣いたって。
息子さんもいる。
抜け殻のようになったおかあさんに、「親父に依存していたんだな。」って言ったらしい。

私だってそう。
パパに頼り切って生きてきた。
誰にでも訪れる離別のときが近づいている。
どうしよう。
がんがわかって一年。
よく頑張って生きてくれた。

714Xのおかげか、それほどひどい状態にはなっていないと思う。
しかし、だんだんと体力が落ちてきていて、弱ってきている。
痩せて、肋骨が背中に見えてきた。
こんなに痩せてしまって、と思いながら、これからますます痩せていくんだろうなと、心配になる。
パパが病気でいなくなるのが本当だと、認めざるを得ない。
毎日を幸せに、精一杯生きようと決めて生きてきたけど、その日がだんだん近くなってきているのが実感できてしまう。

パパを失うのがどれほどのことか、まだわかっていないかもしれない。
4月になったら、花見をしよう。
それまで、自転車で春日の公園に行けますように。
体力がありますように。
次男の赤ちゃんを見れますように。

毎日を大事に生きよう。
パパが幸せを感じられるようにハグしよう。
すき焼きをおいしそうに食べてくれた。
肉は食べられなくなってきているから、食べられるメニューが見つかってよかった。
あと、脂身のないトンカツもいけるって。
たんぱく質が摂りにくくなって、果物ばかり食べている。
栄養状態が悪くなっているって、萩原先生に言われた。
食事がつらそうなのがつらい。
頑張って、おいしいものを作ろう。

私は普通に生きなければと思って、いつも通りに暮らしている。
プールに行ったり、ピラティスに行ったり、写真を撮ったり、コスメの勉強をしたり。
すべて、パパがいるからできること。
いなくなったら、栗原はるみさんになるだろうね。
はるみさんはまわりの人に助けられたって。

私は子供たちには頼れない。
関西で暮らす子供たちはそれなりに、精一杯に生きているから。
九州で、何もしないで、しばらく寝込んでいようか。
そうだ、寝込めばいいんだ。
はるみさんはご飯が食べられなくて、5キロ痩せたって。
私は太っているから、少しくらい痩せたって生きていける。

2月4日の日記から

パパの食事量が7割程度しかなく、不安になる。
治療を何もしないと、急に食欲が落ちる時がきて、急激に悪くなるって聞いた。
714Xのおかげで今のところ、ひどい痛みに苦しむこともなく、普通に近い状態で暮らせている。

714Xがなかったら、今頃きっと栗原はるみさんになっている。
注射痕が青黒くなって、痛々しいけど、714Xの注射で命をつないでいるのは間違いない。
食事が7割くらいしか食べられなくて、たとえ痩せたとしても、このまま静かに普通に暮らせたらいいやん、って言ったら、パパもうなずいていた。

食べられなくて苦しんでいるから、食べるのを強要するのはかわいそうだから。
食べられるものを、食べられるだけでいい。
くだものはおいしそうに食べているから、また買ってこよう。
パパは私が守らなければ。
たぶん、パパに依存して生きてきたから、やっぱり私は栗原はるみさんと一緒だ。
今を大事に生きるしかない。

宮古島旅行は最高の思い出だ。
二人で手をつないで、サンゴ礁の海をシュノーケリングした。
カクレクマノミを見て、潮に流されて、楽しかった。
ステキな思い出をありがとうね。
私の65歳の誕生日の、お祝いの旅行だったね。
ありがとう。

2月6日の日記から

いつも、頭の中でパパがいなくなった後のことを想像している。
それは怖い想像だけど、必ずやってくる現実。
子供たちのために生き抜かなければならない。

義妹に言われた。
親が生きているだけで、子供たちはエネルギーをもらっているって。

パパが元気だったころを思い出して、悲しくなる。
もう、あのころには戻れないって。
二人でバドミントンをしたり、毎日買い物に1時間も歩いたり。
健康に気をつけていたのにな・・・

二人で食べた、食べ放題の焼肉キング。
もう、二人では行けない。
ケンタッキーも、ときどきパパが食べたがった。
でも、今はチキンも食べられなくなった。
失ったものを嘆いてばかりいたら悲しくなるから、前を向こう。

今できることを精一杯やる。
くだものが好きだから、果物なら食べてくれるから。
それから、控えた方がイイと言われている甘いものも、いろいろ買うよ。
糖はがんのエサだから、控えた方がいいんだって。

でも、パパは甘いものが好きだから、食べるのを止めなさいなんて言えない。
ヨガの先生が、夫は食べられなくなっているから、何を食べさせるというより、本人が食べたいと思うものを食べさせるって、おっしゃっていた。

がん患者に蔓延している、ニンジンジュース伝説。
家族が患者さんに必死になってニンジンジュースを飲ませたがる悲劇。
もうやめてくれと、旦那さんが泣いたとか。
私もニンジンジュースを作りたかったけど、パパがこの手のジュース(スムージー風ジュース)を嫌いなことを知っていたから、一度も作ったことがない。
正解だったと思う。

パパが大好きなあんこ系、くだもの、オムライス、味噌汁、玉ねぎのサラダ。
残りの時間を、パパが幸せに感じるように、おいしいものを作る。

まとめ

夫の闘病中は苦しく、つらい日々だったのかも。
夢中で生きていたから、苦しさもおぼろげにしか覚えていない・・・

病院のサポートは、ちょっとマヌケ。
夫を前にして、私は夫の死が怖くて悩んでいます、なんて言えるわけないじゃないですか!

何とか、夫に内緒で相談しようとしたんだけれど、「診療時間中に、緩和ケア担当の看護師に相談したいと言ってください。」って言われて・・・
無理だ・・・

 

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