主人の病気が分かったのは、2年前の暮でした。
私は張り切って大掃除をしていたのですが、そこに「ごめん!入院って言われた。」といって、近所のクリニックから主人が帰って来たのが始まりでした。
二人で平和な年末年始を過ごす予定でした。
黄疸が出ているから、すぐに大きな病院へ行きなさいと、日赤病院を紹介されました。
年末の28日で、病院もこれから正月休みに入るというタイミング。
急いでタクシーに乗って病院へ行くと、幸いにも病院はまだ診察をしてくれていました。
それから夕方まで、ずっと検査が続きました。
そして、私だけ呼ばれて「胆管がん」の宣告。
「手術はできません。」
この人、何言ってるんだろうと、私の感情は平たんなまま。
ただ、どうやって主人の病室まで行ったのか・・・
ふわふわと、雲の上を歩いているようでした。
グリーフケアはいつから受ける?
1年10ヵ月の闘病の末、主人は2020年の11月に亡くなりました。
元々、私は本が好きで、主人が病気になってからは様々な本を読み漁りました。
たいていみなさんが通る道は、私も通りました。
まず、ガンについての本。
抗がん剤はどうとかこうとか・・・
ニンジンジュースががんに効くとか、免疫療法がいいとか。
自身もガンになり、治療をしている現役医師の本とか。
それから、介護の本を読みました。
病気が進行したら、どこの病院へ行ったらいいのかしらと、全国の有名がん治療の病院を調べました。
そして、末期がん患者を診てくれるクリニックが近所にあることを知りました。
あとから、このクリニックの先生は怖いとみんなが言ってるとか、噂をききましたけどね・・・
介護の次は看取りの本です。
病気が進行したとき、クリニックの先生からホスピスを紹介されました。
すごく良い感じのホスピスで、患者や患者の家族の心を大事にしてくれそうな印象を受けました。
ただ、ちょうどコロナが流行し始めて、結局ホスピスへは入りませんでしたけど。
入院すると、面会が一日30分しかできないと言われたからです。
そんなかわいそうなこと、できません。
結局、在宅で、クリニックの怖いと噂されている先生に最後までお世話になりました。
そして・・・
実は、主人が存命中からグリーフケアの本を探して読んでいました。
これから私が陥るだろうと思われる、恐ろしい時に備えたかったから・・・
グリーフケアの本は、亡くなってからまた読み直しました。
いくら勉強しても、毎日泣き暮らす日々は変わりませんけれど。
つらかったです。
グリーフケアとは?
グリーフケアはいつから受けるといいのでしょうか?
そもそも、グリーフケアとは?
グリーフケアは、遺族の複雑で深刻な心の状態を理解して寄り添うことで回復のサポートをする取り組みです。死別した遺族はやがて大きな衝撃から立ち直って自分の日常を取り戻し、新しい人生を切り開きます。
これも、本当に個人差がありますね。
私は、人に弱みをあまり見せられない性格で、子どもの前でもあまり泣けませんでした。
陰では大泣きして、毎日わんわん号泣していたのですが・・・
人によってはうつになり、よりつらい時間を過ごす方もおられるようです。
ただ、ガンという病気は時間をくれるんです。
1年10ヵ月の時間をもらって、こころの準備ができたんですね。
別れも分かっていたし、一人ぼっちになるのも分かっていたし・・・悲しいですが。
ご主人を突然亡くした友人がいて、立ち直るのにとても大変そうでした。
いきなりいなくなられるショックは相当なものでしょうから。
グリーフケアで、心療内科にお世話になる方法もあるようですよ。
私は、なんでも本を読んで、自分の心を落ちつかせるようにしましたが、心療内科で話を聞いてもらうのも、とてもいいのではないかと思います。
私が読んだ本で、こころが落ち着いたのはこちらです。
坂口幸弘さんの「喪失学」
小谷みどりさんの「没イチ」
私の読書感想文(学校みたい…笑)を掲載しますので、よかったらご覧ください。

