小谷みどりさんの「没イチ」を読んだ感想をつづります。
以前、テレビのニュース番組で、奥様の「小林麻央」さんを乳がんで亡くされた「市川海老蔵」さんが、没イチなんて不愉快な言葉を聞いたと、ひどくご立腹でした。
配偶者を亡くした人を、没イチと呼ぶなんて、非常に不愉快だと。
奥様を亡くされて、懸命に生きていらっしゃるのはわかりますが、没イチの作者である「小谷みどり」さんも、懸命に生きてこられて、本を執筆されたわけです。
多分、海老蔵さんはこの本をお読みになっていらっしゃらない。
私は、全然不愉快だとは思いません。
私の勝手な解釈ですが・・・
配偶者に先立たれた人々を明るくしてあげたいという思いがネーミングに感じ取れました。
没イチとは?
多分、明石家さんまさんが離婚をされたとき、おでこに✕をひとつ書いて登場し、バツイチという言葉を使われました。
没イチも同じ意味合いでしょうね。
配偶者を亡くした人を指しています。
本を読めばよくわかりますが腹を立てるようなところはもちろんありませんし、あとに残った人を励ましてくれる、いい本でした。
海老蔵さんも読んでみたらいいのにね。
私が没イチを読んだ感想を書いています。
大まかな本の紹介ですので、ぜひ手に取って読んでみてください。
没イチ「パートナーを亡くしてからの生き方」小谷みどり
没イチ 「パートナーを亡くしてからの生き方」の内容です。
この本を読むのは2回目です。
一度目は夫がまだ生きている時に読みました。
夫がなくなったらどうやって生きていけばいいんだろうと、漠然とした不安の中で読んでみたいと思った本です。
夫がなくなり、改めて読んでみると、書かれている内容がより身に染みて理解できました。
本の中で、心に留まった言葉を記述してみます。
● 「人生を楽しんでいい」のではなく、「人生を楽しめなかった配偶者の分も人生を謳歌しなきゃならない」
● きょういくときょうようが大事
きょうよう・・・「今日する用事」
● 一番つらかったあの時の自分には、よく頑張ったねって言ってあげたいです。
悲しみが和らいで笑える日は来るからねって。
辛い日を耐えた自分に、ありがとうも言いたい。
● 「そのうちに」って思っていたら「そのうち」はあり得ない。
思った時にやっておかないと、その時は二度と来ない。
「いつか」は来ない。
● できなくなったことあれば、反対に一人になって身軽だからできるようになったこともある。
マイナスだけでなく、プラスに目を向けてみる。
● とにかく、外に出ること。
人と会わなくてもいいので、外に出かけること。
● 人間、いい時も悪い時も、そうそう長くは続きません。
同じ状態は長く続かない。
● 起きたことは元には戻せないので素から、配偶者のいない人生を嘆き悲しむよりも、この先自分はどう生きるかということをポジティブに考えるしかありません。
● 自分はこれからの人生で何をしたいのかを考えてみることは、自分を知るうえでもとても大切。
ひとり暮らしの人・・・自立できなくなった時の備え
「任意後見契約」
判断能力がある間に、後見人選定や、介護、財産管理などに関する希望を公正証書で契約すること。
後見人は親族でなくてもかまわない。
「任意代理契約」
判断能力はあるが、身体の自由が利かなくなったり、煩雑な手続き書類の管理を自分で行う自信が持てなくなった時に、だれかに代理でやってもらうための契約。
「死後事務委託契約」
死後の葬儀や遺品整理、役所関係の手続きなど契約する。
亡くなった後の手続きを代行します。(福岡市の場合だと以下)
死後事務委任契約の内容
自分が死亡した後のことが心配な人のために、生前に契約を交わして死後事務(納骨や家財処分、役所の手続き等)を代行する事業です。
● ずーっとあんしん安らか事業
預託金を預かって、葬儀や納骨等を希望通りに行います。
委託金 500,000円
入会金 15,000円
年会費 10,000円
● やすらかパック事業
毎月の利用料(契約時の年齢によって、月3,000円~7,500円)を支払うことにより、直送、合葬、家財処分等の手続きを行います。
まとめ
小谷みどりさんは、目覚めたら夫が死んでいた、という過酷な死別をされています。
その後、没イチ会を作り、同情ではなく共感してくれる仲間を集います。
その後の生活をどう立て直すか、配偶者の死をどう受け入れるか、親族とはどう付き合うかなどの問題を考え、没イチこそ終活だと言われています。
私も九州の没イチ会(のようなもの)に参加させていただいています。
「彩にじ倶楽部」といいます。
いきなり旦那さんが亡くなられた方は、立ち直るのにとても苦労されているようです。
他の方の経験を聞く機会があれば、かなり心が救われると思います。
先日、NHK福岡放送で、「彩にじ倶楽部」主催者の中村由美さんがインタビューを受けられました。
そしてそのあと、6~7人の新人さんが入会されました。
テレビの力はやはりすごいですね。